(前回の続き)お願いというのは、他でもありません。
1 アトピーで掻いてる人に「掻くな」と言わないであげてください
これ、けっこうキツいんです。もちろん、そう言ってくれる人は、本人のためを思って言ってくれているんだと思います。
でも、ちょっとだけ考えてみてください。同じアレルギー疾患である「花粉症」の人に、「くしゃみをするな」「鼻水を出すな」なんて言う人はいないでしょう?むしろ、「うわー、大変だね」って同情したくなりませんか?
花粉症の方にとってくしゃみや鼻水が特徴的な症状であるように、アトピーでは湿疹やかゆみといった「特徴的な」症状が出ます。ところが、アトピー患者に対する視線は結構厳しいです。
前回書いたように、アトピー患者が掻いているとき、ほとんどが「無意識」「無自覚」です。そんなときに「ほら、掻いちゃダメ!」みたいなことを言われると、結構ストレスを感じます。結果、余計にかゆくなってしまったりします。
2 余裕があるなら、気が紛れるような話題を振ってあげてください
今やってることがうまくいってない、考え込んでいる、そんなとき、アトピー患者は掻いてしまいます。そこで、それがうまくいくようなこと、または、気が紛れるようなまったく関係のない話題、こういうことを言ってくれると、かなり助かります。話しかける人の心に余裕があるときだけでOKです。余裕がないときは、そっとしてあげてください。
少々身勝手なお願いかもしれません。でも言えることは、
・アトピー患者は、掻く行為が周囲に不快感を与えていることを知っています
・そして、そんな周囲からの視線をとても気にしています
・また、周囲にできるだけ不快感を与えないよう、全力で努力しています
それでもかゆい! どうしてもかゆい!
アトピー患者の戦いは日々続いています。
少し熱く語りすぎてしまいました。
でも、どうしてもこのことが言いたかったです。
私自身、アトピーが原因で、これまでたくさんの偏見、差別を経験しました。
少しでもこの文章が、アトピーやアトピー患者の理解につながることを祈って・・・。(了)